リーフ山脈の山間に現れる白と青の町、シャフシャーエン。
14〜15世紀、当時イベリア半島南部を支配していたムスリムが
勢力を回復したキリスト教徒のレコンキスタ(国土回復運動)の拡大により
逃れてきて建設した町。
町の中心にあるカスバの博物館によると
勢いをさらに増すカトリック勢力から身を守るため
そして、自らの攻撃態勢を整え反撃する機会をうかがうために
あえてこの険しい山間地帯に町を建設したそう。
そのためか、この町は町の情景も人柄も他のモロッコの都市とは少し違う。
シャフシャーエンを訪れて、まず印象的なことは
白と青で彩られた町並み。
白と青というと、カサブランカやエッサウェーラでも見かけられる風景ですが
ここシャフシャーエンの青は少し違う。
沿岸都市の青が海の青なら、シャフシャーエンの青は雪山の青。
この淡い青がメディナの道や階段にまで色を与えています。
カスバの塔から旧市街を眺めると…
うん?どこかで見た景色のような…
グラナダのアル=ハンブラ宮殿から旧市街を見たときの景色と同じ!!
背後にそびえたつ山とその裾に広がる白い町。
これも、モリスコ(イベリア半島に居住したムスリムをさす)が
建設した町というのですから、驚きません。
この日、ちょうどアラブ・アンダルス音楽祭が町で開かれていました。
ウードにバイオリン、打楽器に女性歌手から構成されるこの楽隊。
響きはアラブ音楽のようですが、
テンポの揺れや打楽器の拍子の打ち方、掛け声のかけ方などが
フラメンコを連想させる調子。
町じゅうから鑑賞客が訪れたのでは?
というほど多くの地元の人であふれていたこの音楽祭。
シャフシャーエンの人は、顔つきも欧米人によく似ていて
服装などのスタイルも、オープンな印象。
険しい山中に位置するからこそ
外部からの影響を受けにくく
独自の文化スタイルを現在まで継承してきたシャフシャーエン。
この町、そしてここに暮らす人こそ、
アラブ=アンダルスの遺産だと感じました。
これから地中海へ向かいます!